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じゅんかん米

  • 2014/05/23
  • By ユキマツリ
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NPO魚沼ゆうき 山岸 勝さん


 

イネの潜在力を最大限に引き出す、循環自然農法を実現。

始まりは1本の看板から。
「農薬をまかないでください」
昭和63年。1枚の田んぼに立てた1本の看板から、有機栽培が始まった。

現在NPO魚沼ゆうきではJAS有機米の上をゆく、「じゅんかん米」を栽培する。「じゅんかん米」とは、農薬・化学資材、市販の有機肥料をいっさい使わず、自家製の食品堆肥のみで栽培する米。食品堆肥は、地元十日町の特産品であるそば店で、つゆをとったあとのかつおぶしを使用。一言に「有機肥料」といってもその中身はさまざまだが、これは人が 食べられるものから作る安心できる有機肥料を使った、純粋な循環型だ。

水にも細心の注意を払う。「とにかくいい水を使おうと、ダムから田んぼまでの間でトラブルが起こらないための防御策もとっています」。周囲から除草剤などの農薬や化学肥料の飛散、流入がないよう、栽培前には生産者同士が「覚え書き」を交わし、それを遵守して栽培したものが自然循環米として消費者に届けられている。

雑草対策も自然の力で行う。田植え後10日以内、雑草が芽を出す前に、チェーンで土を攪拌する。カメムシ対策には畦にミントを植えるなど、それぞれの雑草や害虫の弱点を、自然の力で突いていく。自然を理解することが大前提だ。

「自分たちが作っているんじゃない。ただ種を植えるだけ」と山岸さんは語る。大自然の力を信じ、イネがもつ力を最大限に引き出し、それを見守るのが、自然循環のイネづくりの考え方だ。収穫後の土づくりから始まり、たくましい苗を作るために種もみを雪中に埋め、強い苗を深水に粗く植える。「ひたすらスパルタで育てる」ことで、自力で病気や倒伏に打ち勝つたくましいイネが育ち、おいしい本物のコシヒカリが誕生する。

循環自然のイネづくりは、平成21年度農林水産省匠の技支援事業にも認定された。「われわれとしてはうれしいですね。法律もそうですし、今までやってきたことを認めてもらえ、 状況も変わってきてたのでこれかたらますます面白くなると思っています。あとは消費者の方にどうわかりやすく伝えていくかということですね」。今まで東京と京都の百貨店のみで販売してきた希少価値の高い「じゅんかん米」を、地元で初の試みとして「ユキマツリ」では使用。 山岸さんは「これをきっかけにもっともっと地元に知ってもらえれば、栽培農家も増えていくと思います。持続していくにはネットワークが大切」と力を込める。
本物の食を作る人、食べる人、それをつなぐ人。人の思いの循環が「じゅんかん米」を育てていく。